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日別アーカイブ: 2025年4月21日

第6回造船雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社ユーキ.ディープラント、更新担当の中西です。

第5回「用途別おすすめ塗料の選び方と施工ポイント」に続く、第6回造船塗装雑学講座は、**「塗装品質を支える下地処理の極意」**をお届けします。塗装の耐久性や美観は、下地処理の丁寧さで決まります。今回は、サンドブラストからケレン、脱脂、プライマー塗布まで、プロが実践する下地処理のポイントをご紹介します♪


1. サンドブラスト処理で旧塗膜・錆を一掃

① 目標清浄度:SA2.5相当

  • 内容:ISO8501-1規格で「ほぼ全ての錆・旧塗膜が除去された状態」を目指す

  • ポイント:鋼板面に微細な凹凸を残し、プライマーの密着性を向上

② 噴射材の選定

  • 鋳鉄砂:鋼板への攻撃性が高く、錆・旧塗膜除去に最適

  • ガーネット:再利用可能でコスト効率良好。環境負荷を抑制


2. ケレン作業で細部を徹底清掃

① 手作業ケレン

  • 用途:ブラスト未到達の隅部、溶接部の錆・スラグ除去

  • 工具:ワイヤーブラシ、スクレーパー、パテナイフ

  • 注意点:鋼板を傷めないよう、適度な力加減で丁寧に

② 電動ケレン

  • 用途:広範囲の旧塗膜剥離

  • 工具:ディスクグラインダー+ワイヤーカップブラシ

  • ポイント:回転数と圧力を適切に調整し、均一に処理


3. 脱脂・洗浄で油分・塩分を完全除去

① 脱脂剤の選定

  • 強力アルカリ洗浄剤:機械油やグリース除去に有効

  • 中性洗浄剤:プライマー前の仕上げ洗浄に適合

② 洗浄方法

  • 高圧洗浄機:200–300barで塗装面を洗い流し、化学洗浄剤を併用

  • ブラッシング+拭き取り:手が届きにくい箇所はブラシで洗浄後、清浄クロスで拭き上げ


4. プライマー塗布で密着性と防錆性を確保

① プライマー選定

  • エポキシプライマー:防錆性と密着性に優れる基本プライマー

  • ポリウレアプライマー:高耐久性を求める場合に最適

② 塗布条件

  • 環境:気温15–35℃、湿度80%以下を推奨

  • 膜厚:50–100μmを目安に、スプレーガンの設定を調整

  • 乾燥:メーカー指定の乾燥時間を厳守し、次工程の塗装に備える


5. チェックリストで品質を見える化

工程 チェック項目 判定基準
サンドブラスト 清浄度SA2.5相当の達成 錆・旧塗膜の残留なし
ケレン 隅部・溶接部の旧塗膜除去 手作業跡の残留なし
脱脂・洗浄 油膜・塩分の残留確認 触って滑らかさなし、塩分テストOK
プライマー塗布 膜厚・乾燥状態 指触乾燥、膜厚測定器で適正値

まとめ—下地処理で塗装の寿命を10年延ばす

  1. サンドブラストで基板をクリアに

  2. ケレンで細部の錆・旧塗膜を徹底除去

  3. 脱脂・洗浄で油分・塩分を完全に除去

  4. プライマー塗布で密着性と防錆性を確保

  5. チェックリストで品質を見える化し、再現性を高める

株式会社ユーキ.ディープラントでは、最新の下地処理技術と厳格な品質管理で、塗装の長寿命化を実現します。ぜひプロの下地処理を体験してください!


次回は第7回として、**「現場で役立つスプレーガンメンテナンス術」**をお届けします。スプレーガンの分解・洗浄から調整まで、実践的なテクニックを解説しますのでお楽しみに!