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カテゴリー別アーカイブ: 日記

第25回雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社 ユーキ.ディープラント、更新担当の中西です。

 

はじめに:見た目ではなく“寿命”の技術
塗装と断熱は“美観”ではなく寿命延伸と安全のための技術。特にCUI(保温下腐食)は静かに進行し、事故の火種になります。本回は素地→塗装系→膜厚→保温→ラギング→CUI→識別→検査の流れで、工事と点検の作法を整理します。

 
1)表面処理と塗装系
• 素地調整:ブラスト(Sa2.5 目標)、アンカープロファイル測定、エッジラウンド。
• 塗装系:Zn リッチ→中塗→上塗(ウレタン/フッ素)。海浜・化学は重防食。塗色は視認性×汚れで決定。
• 膜厚管理:各層 DFT 測定、ホリデイ(ピンホール)検査、付着・硬度試験。

 
2)保温保冷・材選・施工
• 材:ロックウール、カルシウムシリケート、フェノールフォーム等。温度域・吸水率・耐火で選択。
• 施工:段違い施工、バンドピッチ統一、支持金物の熱橋最小化。端部は雨仕舞ディテールを図示。
• ラギング:アルミ/SUS 薄板。重ね代・カシメ方向、シール材の選定。

 
3)CUI 対策:水の入口と滞留を潰す
• 入口:縦継ぎ・フランジ周り・吊り金物・支持金物。ドレインホールの設置。
• 点検窓:定期開放・腐食計測・再塗装。“保温を外す勇気”を運用ルーチンへ。
• コーティング:CUI 用下地、耐熱塗料。保温前に必ず実施。

 
4)識別表示と美観
• ラインカラー・流向矢印、危険表示、タグ。読める位置・高さに貼る。
• 美観:手摺・架台の視認性。足場解体前に最終タッチアップ。

 
5)検査・記録・引渡
• 塗膜:DFT・付着・硬度・光沢。ロット番号を台帳化。
• 断熱:表面温度・結露、冷媒系の露点管理。赤外線サーモで空気層の検知。
• 台帳:位置図・写真・ロット・点検周期。QR で部位ジャンプ。

 
6)よくある失敗と対策
• ピンホール放置:下地露出→腐食進行。ホリデイ検査を必須化。
• CUI 設計不足:保温端の止水不良→点検窓とドレインを増設。
• 識別欠落:更新後のラベル貼り忘れ→引渡前の総点検をルール化。

 
7)チェックリスト(抜粋)
☐ 素地調整・アンカープロファイル・エッジ処理
☐ 塗装系・DFT・ホリデイ・付着・硬度
☐ 保温材選定・段違い施工・熱橋最小化
☐ ラギング重ね代・雨仕舞・シール材
☐ CUI 対策(入口・ドレイン・点検窓・耐熱塗)
☐ 識別表示(色・矢印・タグ)・最終タッチアップ
☐ 断熱後の表面温度・結露・サーモ記録・台帳

 
結語:防食と断熱は“工事が終わってから始まる”。点検しやすいディテールを設計することが、10年後のコストを劇的に下げます。

 

 

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第24回雑学講座

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はじめに:計装は“見えない配管”
圧力・温度・流量・液位・分析。センサ→伝送→制御→最終素子(弁/モータ)まで嘘なく通るかが命題です。鍵は同一ソース管理と現場で読める図書。本回はIndex→Loop→I/O→C&E→試験の順で現場実装へ落とします。

 
1)インデックスと図面一元化
• Instrument Index/I/O List:タグ・レンジ・単位・ループ番号・盤番・端子番号。変更は一括反映+履歴。
• 図面群:P&ID、ループ図、端子図、ケーブルスケジュール、マッシャリング、システム間結線(Hard/Soft)。

 
2)一次元素・配管・チュービング
• 圧力・差圧:インパルス傾斜、ドレン/ベント。高温はシールポット、低温はヒーティング。
• 流量:オリフィス・電磁・渦。直管長と配管振動。キャビ対策。
• 液位:差圧・フロート・レーダ。デッドバンドと泡・気泡の影響評価。
• 分析:pH、導電率、TOC、ガス分析。サンプルコンディショニングと廃液処理。

 
3)SIS/インターロック・Cause & Effect
• SIL ターゲット:LOPA を踏まえ 1oo2/2oo3 の冗長で達成。PST(部分行程試験)を運用に組込み。
• C&E:現場が読める表(番号・条件・論理・最終素子・復帰条件・バイパス権限)。SOE 時系列で証跡化。

 
4)盤内・現地配線・ノイズ対策
• シールド・接地:片端接地、ドレイン線の処理。動力と離隔。
• 端子:極性、番号、予備25%目安。フェルール表記統一。
• 筐体:IP 等級、温調、結露対策。

 
5)ループチェック・機能試験
• Cold Loop:導通・極性・レンジ・ゼロ/スパン。一次素子のキャリブレ(デッドウェイト、発生器)。
• Hot Loop:DCS画面→ロジック→最終素子まで“動く”か。試験シナリオ番号で記録を一元化。
• アラーム哲学:量より質。優先度・遅延・ラッチ。アラーム洪水を設計段階で潰す。

 
6)ヒューマンマシンインターフェース(HMI)
• 画面設計:運転員の巡回順・階層・色(強調は最小)。トレンド・イベント・SOEを保全に活用。
• 手順化:異常時のOne Point Lessonを画面から呼び出し可能に。

 
7)よくある失敗と対策
• 単位違い/反転:kPa⇄MPa、開⇄閉。ピアレビューと現地確認を同時に。
• ケーブル誤接続:色・番号・フェルール、端子写真の台帳化で撲滅。

 
8)チェックリスト(抜粋)
☐ Index/I/O 一元化・履歴管理・最新版一本化
☐ P&ID/ループ/端子/ケーブル/C&E の整合
☐ シールド・接地・離隔・ノイズ対策
☐ Cold/Hot ループ・キャリブ・SOE 記録
☐ アラーム哲学・画面設計・OPL 連携

 
結語:計装は“正しい図面+正しい端子+正しい向き”ができれば半分勝ち。残り半分は人が迷わない UIです。

 

 

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第23回雑学講座

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はじめに:電力品質=安定生産
停電は停止、ノイズは誤動作、過電流は火災。だから電気は設計・施工・試験・運用の四位一体で“堅牢に、わかりやすく”。本回はSLD→機器→ケーブル→接地→防爆→試験→切替の順で押さえます。

 

1)受変電:単線結線図(SLD)が工場の設計図
• 受電方式:スポット or リング、非常電源(発電機・UPS)とバックフィード防止設計。
• 保護協調:OCR/GFR/UVR/OVR の設定と協調曲線。盤面に最新版を掲示。
• キュービクル・トランス:据付レベル・盤間クリアランス・アークフラッシュ逃げ、油受け・防油堤。温度上昇・タップ管理。

 

2)配電:ケーブルルートと容量計算
• ルート:トレイ・ダクト・ラック・コンジット。動力と計装、低圧と高圧の離隔。
• 選定:電流容量、電圧降下、短絡耐量、起動電流。長距離はCVT/CVQ サイズアップ。
• 端末処理:曲げ半径・張力管理、端末の収縮不良対策。写真台帳を標準化。

 

3)接地・ボンディング・雷保護
• 方式:多点・単一点の使い分け。等電位化でノイズ抑制、雷保護はLPZ設計。
• 接地抵抗:季節変動を踏まえ、雨天後の再測定で安定性評価。薬剤接地の寿命管理。

 

4)防爆・危険場所(Ex)
• ゾーニング:Zone 0/1/2、ガスグループ、温度等級。分類図の更新を継続運用。
• 機器:Ex d/e/i/n。シールフィッティングでガス侵入を遮断、充填材の混合作業は監督立会。

 

5)照明・動力・盤・VFD・電源品質
• 照明:作業床・階段・避難路。グレア対策、光害配慮。照度測定を引渡条件に。
• 動力・VFD:ノイズ対策(シールド・アース)、電源品質(高調波・瞬低)管理。コンデンサの共振回避。

 

6)試験・検査・文書
• IR・PI:温度換算、トレンド管理。
• 耐電圧・保護継電器試験:整定値・動作記録。位相・回転方向もチェック。
• 文書:図面、ケーブルスケジュール、端子台帳、試験成績。最新版一本化。

 

7)停電計画・切替手順(カットオーバ)
• PTW/LOTO:残留電圧の無電確認、逆送防止。一系統の指揮命令。
• 切替:並列運転の可否、負荷優先度、段階復電。復旧後の異常監視を計画に含める。

 

8)よくある失敗と対策
• 共架ノイズ→計装誤動作:離隔・接地の設計徹底。ケーブル色分け・ラベルで現場での誤接続防止。
• 端末処理不良:収縮不足・爪折れ→教育+写真台帳。再発傾向の可視化。

 

9)チェックリスト(抜粋)
☐ SLD・保護協調・非常電源・バックフィード対策
☐ ルート・容量・電圧降下・短絡耐量
☐ 接地方式・LPZ・接地抵抗トレンド
☐ ゾーニング・Ex 機器・シールフィッティング
☐ IR/PI・耐電圧・継電器試験・照度
☐ PTW/LOTO・切替手順・復電監視

 

結語:電気は“見えない配線”の設計言語。図面と試験記録が整っていれば、現場は迷いません。

 

 

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第22回雑学講座

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はじめに:据付精度=プラント寿命
据付は、設計・土建・配管・電計・運転の“継ぎ目”をつなぐ総合芸です。タンク・塔槽・熱交換器などの静止機器は通り芯・レベル・アンカーが命、ポンプ・ブロワ・コンプレッサなどの回転機はソフトフット是正・熱成長見込み・芯出しが鍵となります。いずれもグラウトの一発勝負が勝敗を分けます。本回では受入からベースライン振動の記録まで、現場の順序で深掘りします。

 

1)受入・開梱・保管:Day0の出来で8割決まる
• 開梱位置はクレーン半径内、養生は防雨・防塵・緩衝材。長尺は2点吊+スプレッダ、鏡板養生は必須。
• 照合:製番・型式・付属品・予備品、油脂類・防錆材の同梱。外観傷・錆・ハンガ取付部の歪みを写真撮影。
• 保管:回転機は月1回転で軸受馴染み維持。乾燥剤・窒素封入機器は封緘状態の記録を残す。

 

2)基礎・アンカー:据付精度は“地面で作る”
• アンカー実測:芯間・対角・露出長・ねじ山。水準+レーザーの二重系で測る。許容差は機器仕様から逆算。
• 座金(Shim)計画:初期は3点支持で捻りを排除。シムの重ねは3枚以内、ソフトフット0.05mm以下へ。
• ベース仕上:不陸・レイタンス除去、打継ぎ部の目荒らし。グラウト接触率の実測を残す。

 

3)揚重・仮置・仮締め:吊り姿勢と“反変形”
• 揚重:重心位置を製番ごとに確認、軽吊り検証で偏荷重を排除。尾追い配置と合図者の一系統化。
• 仮置:接触面の異物除去、座金の仮配置、手締め→対角仮締めで捻りを抑える。
• 反変形:長尺・薄肉は吊りで撓む。最終姿勢を見越した反変形を事前計算。

 

4)グラウト:一発で決めるための準備
• 前処理:目荒らし→清掃→湿潤化。型枠は空気抜き・流入・排出口を確認。
• 打設:片側注入で気泡排除。リフトアップ法なら座金撤去、残す場合は位置を図示。温湿度の連続記録を残す。
• 養生:設計強度到達まで無荷重。高温・低温・多湿時の対策を工程に落とす。

 

5)回転機アライメント:冷間と温間の“ズレ”を味方に
• ソフトフット撲滅:0.05mm以上の浮きは是正。楔シム乱用禁止、端部バリ取り。
• 芯出し:ダイヤル or レーザー。熱成長オフセットを設計値から設定(軸方向・垂直方向)。
• 許容:回転数・継手に応じて0.03〜0.05mm程度が目安。最終はベースライン振動が語る。

 

6)配管接続:回転機に“無理をさせない”
• 順序:据付完了→配管。フランジ穴は自重で合う状態で初めてボルト挿入。
• ノズル荷重:応力解析でAPI/メーカー許容内へ。固定点→ガイド→スライド→スプリングの連鎖で逃がす。
• 伸縮継手:挿入長・ガイド間距離・点検空間。誤用は破損の近道。

 

7)回転方向・補機・試運転前点検
• 回転方向:矢印・相順確認。VFD は設定ロック。
• 補機:潤滑油循環、差圧、冷却水・シールフラッシュ、ベント・ドレン。
• ガード:カップリング・ベルトの二重保護、危険表示の視認性。

 

8)ベースライン振動と引渡
• 振動:アンバランス/ミスアライメント/ルースネスの診断。スペクトラムを保存し予兆保全へ。
• 記録:据付日誌、グラウトバッチ、温湿度、芯出し記録、ノズル荷重、回転方向、ベースライン振動。QR 台帳で部位ジャンプを実現。

 

結語:据付は“最後の1mm”。図面→基礎→配管→運転の境界をまたいで、責任の継ぎ目を無くすことがプロの段取りです。

 

 

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第21回雑学講座

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はじめに:配管はプラントの血管
配管は流体を運ぶだけでなく、応力を逃がし、熱を通し、振動を抑え、腐食と戦うシステムです。材質選定、溶接、サポート、防食、非破壊検査、洗浄、耐圧……一つでも手を抜けば、停止=損失に直結します。ここでは設計→製作→据付→検査→洗浄→試験→引渡のライフサイクルを、現場視点で分解します。

 

1)材質・圧力・温度:正しい“服装”を選ぶ
• 材質選定:炭素鋼(CS)、ステンレス鋼(SUS304/316L)、低合金(Cr-Mo)、ライニング(ゴム・FRP・PTFE)。流体の腐食性・温度・圧力・クリーン度で選ぶ。塩素・酸・溶媒は特に注意。
• 腐食余裕:腐食速度×設計寿命で腐食代を設定。CUI(保温下腐食)は別途対策。
• 耐圧・耐温:設計圧力・温度、試験圧の根拠を仕様書に明記。弁・フランジ・ガスケットの圧力温度等級を整合。

 

2)図面・分割・スプール製作
• アイソメ分割:現場溶接を最小化するよう、溶接位置を地上に落とす。回転・姿勢・足場有無で割付。
• 端面処理:ベベル、開先角、ルート間隙。高低差(ハイロー)を管理する治具を準備。
• 材料受入:熱番、サイズ、材質。端面キャップ、防錆、湿気管理。

 

3)溶接と資格・WPS/PQR
• WPS/PQR:母材・溶材・電流電圧・予熱・層間温度・後熱。溶接士の資格範囲(姿勢・径・板厚)を確認。
• 欠陥と対策:割れ、融合不良、スラグ巻込み、ブローホール。原因→対策をNCRで残す。再溶接は範囲限定。
• 仮付け:最終溶接の変形を見越した反変形を設計。

 

4)サポートと応力:固定点→ガイド→スライド→スプリング
• 固定点の哲学:熱膨張を“逃がす”。固定点→ガイド→スライド→スプリングの連鎖設計で、ノズル荷重を抑える。
• 伸縮継手:挿入長、点検空間、ガイド間距離。誤用は破損の近道。
• 振動:回転機での脈動・渦励振。スナバーやダンパで抑制。固有値離隔を確保。

 

5)非破壊検査(NDE)と試験
• VT/PT/MT/UT/RT:部位・材厚・リスクで選択。合否基準を契約に明記。
• 耐圧(ハイドロ):試験圧、保持時間、温度補正。隔離点(ブラインド)と安全距離を徹底。気密(パニューマ)の適用範囲も整理。
• リークテスト:石鹸水、ヘリウム。重要系は二重化。

 

6)洗浄・フラッシング・パッシベーション
• 水洗・薬洗:デブリ・スケール・油脂を除去。清浄度基準(差圧・粒子数)を定量で管理。
• オイルフラッシング:回転機系の清浄度はISO 4406等で評価。バイパスとフィルタ差圧監視。
• 酸洗・不動態化:SUSの酸洗・パッシベーションで錆発生を抑制。廃液処理を先に設計。

 

7)保温・保冷・識別表示
• 保温:ロックウール・カルシウムシリケート等。段違い施工とバンドピッチ統一。熱橋を減らし結露を防止。
• ラギング:アルミ・SUS薄板。重ね代、カシメ方向、雨仕舞を図示。CUI対策の点検窓。
• 識別:流体色・流向矢印・危険表示。点検しやすい色を選ぶ。

 

8)配管と回転機の“健全な関係”
• 据付後配管:回転機は無理をさせない。フランジ穴が自重で合う状態で初めてボルトを入れる。
• ノズル荷重:API/メーカー許容に入るよう応力解析で担保。柔らかい配管は良い配管。

 

9)タイイン・切替・MOC
• タイイン管理:ブラインドリスト、隔離手順、復旧忘れ防止タグ。停止時間のクリティカルパスを可視化。
• MOC:現場レッドライン→設計反映→図面更新→周知。唯一の最新版を守る。

 

10)記録・台帳・引渡
• 溶接台帳:溶接番号、溶接士、WPS、NDE結果、再溶接履歴。
• 試験成績:耐圧、気密、リーク、清浄度、フラッシング、酸洗。不適合は是正完了まで閉じ切る。
• As-Built:アイソメ赤入れ→CAD反映→PDFしおり→検索タグ。QRで部位ジャンプできるように。

 

11)よくある失敗と処方箋
• サポート不足:固定点の思想欠如→ノズル破損。ガイド・スライドの連鎖を追加。
• NDE不合格:溶接条件の逸脱→教育+WPSの見直し。原因分類をダッシュボード化。
• CUI:保温端部の止水不良→雨仕舞ディテールの再設計と点検窓増設。

 

12)チェックリスト(抜粋)
☐ 材質・圧力温度・腐食代・等級の整合
☐ アイソメ分割・溶接姿勢・地上化率
☐ WPS/PQR・資格・仮付・反変形
☐ 固定点→ガイド→スライド→スプリング連鎖
☐ NDE計画・隔離点・耐圧手順・安全距離
☐ 洗浄・フラッシング・酸洗・廃液計画
☐ 保温・ラギング・識別表示・CUI点検窓
☐ 溶接台帳・試験成績・As-Built・QR

 

結語:配管は“見えない力”との対話です。熱・圧・振動・腐食に先回りできれば、止まらないプラントができます。

 

 
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第20回雑学講座

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はじめに:鋼は“機械を支える”だけでなく“人を支える”
配管ラック、機器架台、作業床、手摺、梯子、踊場、階段。鋼構造は、施工性・点検性・安全性を同時に左右します。
初期投資を惜しむと、以降のメンテで見えない赤字が雪だるま式に膨らみます。ここでは据付計画→部材製作→揚重→接合→仕上→検査の順で、現場で迷わない“鋼の作法”を体系化します。

 

1)部材製作と管理
• 製作図の精度:孔あけ径、長穴方向、スロット余裕、面取り、溶接シンボル。現地溶接を極小化し、高所・雨天リスクを工場に移す。
• 部材マークとQR:部材ごとに通り芯・階・位置をエンボス+QRで表示。現場で迷子ゼロ。
• 防食下地:溶融亜鉛めっき/重防食塗装の選択。切断面はタッチアップを標準化。

 

2)建方・揚重・仮設
• クレーン計画:アウトリガ地耐力、作業半径、旋回死角、風速停止基準。吊り計画書に荷姿図(重心・吊点)を付ける。
• 建方順序:柱→梁→ブレース→デッキ→作業床。一時支持の位置と許容荷重を図示。
• 高所安全:先行手摺・親綱・ライフライン。開口縁は二重手摺+つま先板。

 

3)接合:ボルトと溶接の使い分け
• 高力ボルト:座面清掃、摩擦面管理、仮締め→本締めのトルク/軸力管理。マーキングで緩み検知。
• 溶接:現地では短いフィレット中心。WPS遵守、姿勢・パス間温度、外気条件(風・湿度)を管理。
• 許容差:柱の鉛直 1/1000、梁のたわみ L/500 など設計基準を掲示。

 

4)“人の UI”としての作業床・手摺・梯子
• 弁・計器へのアクセス:片手で操作できる踏面、腰高で回せるハンドル。点検窓と保温ラギングの干渉回避。
• 通路幅・踊場:搬出入(交換用モータ・弁)が直線で通る幅を確保。立ち作業の肘高さで手摺を設定。
• 落下物対策:つま先板、メッシュ、工具落下防止ランヤード。下で人が働いている前提で設計。

 

5)熱・振動・風:見えない力との折り合い
• 熱膨張:高温配管のスライド量、伸縮継手の点検空間、架台のスロット孔で逃がす。
• 振動:回転機の固有値と離隔、共振帯域の回避。制振材やスナバーの設置余地を事前に確保。
• 風・地震:ブレース配置、座屈拘束、アンカー設計。局所風(建屋角部)への配慮。

 

6)塗装・防食・耐火
• 塗装系:Znリッチ→中塗→上塗。膜厚はDFTで各層測定、ホリデイ(ピンホール)検査も実施。
• CUI配慮:保温前に下地処理、保温端部の止水をディテール化。点検窓を設計段階から組み込む。
• 耐火被覆:火災時の耐火時間を満たす吹付 or ボード。機械的損傷に強いタイプを動線上に採用。

 

7)検査と引継
• ボルト:締付記録、マーキング、ランダム抽出の再確認。転用禁止の表示。
• 垂直・水平:トータルステーションで実測。点群で出来形保存。
• 塗装:膜厚・付着・光沢、色差。タッチアップのロット番号を台帳化。

 

8)よくある失敗と対策
• ボルト入らず:孔精度不足→長穴・座金変更で即応、ただし構造検討を伴う。
• 作業床の“遠い”問題:計器・弁までの手が届かない→床の追設は後手。設計段階で巡回UIをレビュー。
• 保温・配線の干渉:点検窓を塞ぐ→モデル段階でラギング反映必須。

 

9)チェックリスト(抜粋)
☐ 製作図(孔・スロット・面取り・溶接)OK/部材QR
☐ 吊り計画・地耐力・風速停止基準・一時支持
☐ 高力ボルトのトルク/軸力管理とマーキング
☐ 作業床・手摺・梯子の“人UI”レビュー
☐ 熱膨張・振動・風・地震の余裕とバリア
☐ 塗装DFT・CUI対策・耐火被覆
☐ 点群/出来形・色差・タッチアップ台帳

 

結語:“人が迷わず動ける”鋼構造は、毎日の利益です。 メンテ1回の時短が、10年で大差になります。

 

結語:“1mmの狂いが、10年のコストになる。” 地下の品質は書類でしか語れません。今の一手で未来を軽くしましょう。

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第18回雑学講座

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はじめに:基礎は“見えなくなる最高の品質”
プラントの寿命は、地面より下で決まると言っても過言ではありません。測量基準点(BM)の取り方、地盤改良の要否判断、杭種選定、配筋精度、コンクリートの打設・養生、アンカーボルトの芯出し、地下ピットの止水……いずれも竣工後は見えなくなるため、エビデンス(証拠)でしか品質を証明できません。だからこそ、写真・動画・実測値・試験成績・3D点群をその場で残す運用を“標準”にします。

 

1)測量と基準づくり:誰が測っても同じ値にする
• BM(Bench Mark)冗長化:工区ごとに2点以上のBMを設け、沈下や破損に備えて後背BM(敷地外既設)も設定。豪雨後・地震後の確認ルーチンを作成します。
• 座標管理:設計3Dモデルの座標系と現地の測量座標をトータルステーションで整合。測点は“目印”ではなく数値で共有(XYH)。
• 施工基準線:基礎天端、アンカー芯、機器中心、ラック通り芯を色分けで現地表示。夜間でも読める反射テープ併用。

 

2)地盤・基礎:支持層に仕事をさせる
• 地耐力の読み方:ボーリング、N値、土質(粘性土・砂質土)、地下水位、液状化。必要なら表層改良・深層混合・置換を組み合わせて、不同沈下の許容差(通り芯±5mm、レベル±3mm など)を初期設定。
• 杭・基礎形式:既製コンクリート杭、場所打杭、鋼管杭、表層改良+直接基礎。周辺騒音や振動規制、搬入制限を考慮して選定。杭頭処理のかぶり厚・鉄筋定着は写真で全数記録。
• アンカーボルトの基礎内固定:鋼製テンプレートで位置決めし、曲げ・傾きをゲージで確認。テンプレートは識別タグを付け、型枠解体まで外さない。

 

3)配筋・型枠・コンクリート:打設前の5分で未来を守る
• 配筋:鉄筋径、ピッチ、定着長、あき。スペーサー種別と数量、かぶり厚(基礎=一般的に60mm以上など)を型枠閉じ前に写真撮影。重ね継手の位置ズレ(ずらし)を図示。
• 型枠:通り・レベル・対角寸法を対角測定で検証。漏水を防ぐ目地処理、止水材位置をチョーク+写真で残す。
• 打設計画:スランプ・空気量・温度・配合を事前に確定。ポンプ車の配置、バイブレータ本数、打設区分、ジョイント位置、打設順序、コールドジョイントの回避手順を朝礼で共有。
• 養生:初期養生(湿潤・保温)、高温期は打設時間を前倒し、低温期は保温養生+防凍剤。温度計埋設で温度ひび割れ解析の根拠を残す。

 

4)アンカーボルト・グラウト:据付精度の土台をつくる
• アンカー実測:芯間、対角、露出長、ネジ山状態。レベルは水準計+レーザーで二重確認。許容差を機器仕様から逆算して設定。
• グラウト:無収縮モルタル/樹脂系の選定。基礎目荒らし→レイタンス除去→湿潤化→片側注入→エア抜き→規定強度まで無荷重。座金はリフトアップ法で撤去するか、残すなら位置を図示。

 

5)地下ピット・埋設配管・排水:水と腐食をコントロール
• 止水:コールドジョイント、貫通部の止水板・止水材。貫通スリーブは将来増設分の盲スリーブも設置。
• 排水計画:油水分離、雨水・汚水系統分離、逆勾配の未然防止。グレーチングは荷重等級を明記。
• 防食:地下配管は被覆、犠牲陽極、テープ巻き。地中での異種金属接触を避ける絶縁継手。

 

6)品質管理と記録の作法
• 試験体:圧縮強度、曲げ、促進中性化。打設ロットごとに採取し、温度履歴と紐付け。
• 出来形検査:レベル・通り・対角・開口。点群スキャンでAs-Built化し、埋設物位置図を作図。
• 引継資料:アンカー実測、埋設管・電気管の位置台帳、止水材の種類・位置、写真台帳、強度試験成績、温度履歴、コア採取位置。

 

7)よくある失敗と処方箋
• アンカー芯ズレ:テンプレート固定不足→斜め引張で再施工。是正はケミカルアンカー+構造計算で担保。
• ジャンカ・豆板:バイブ不足/打設順序不良→補修材+断面修復、防食塗でカバー。原因を再発防止会で共有。
• 逆勾配の排水:レベル基準の参照ミス→排水テストを型枠解体前に実施。

 

8)チェックリスト(抜粋)
☐ BM・座標の冗長化と日次確認
☐ 地盤・液状化評価、改良要否、杭種決定
☐ 配筋写真(径・ピッチ・定着・スペーサ)/型枠対角
☐ コンクリ配合・温度・スランプ・打設順序・養生計画
☐ アンカー実測台帳(XYH・露出長・ねじ山)
☐ ピット止水・貫通部・排水勾配の検査記録
☐ 点群スキャン・埋設台帳・強度試験成績

 

結語:“1mmの狂いが、10年のコストになる。” 地下の品質は書類でしか語れません。今の一手で未来を軽くしましょう。

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第17回雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社 ユーキ.ディープラント、更新担当の中西です。

 

はじめに:C(プロキュアメント)は“工期の舵輪”
調達は、図面と現場をつなぐサプライチェーン・エンジニアリングです。見積→評価→発注→製作→検査→梱包→輸送→搬入の一連を“最短で安全”に通す。ひとつの遅れがクリティカルパスに食い込みます。

 

1)購買戦略:仕様の解像度とサプライヤ多重化
• 仕様の粒度:材質・圧力・温度・塗装・検査範囲・付属品・端子箱方位まで明記。曖昧な仕様は現場にしわ寄せ。
• ダブルソース:回転機・制御盤・特殊弁などはセカンドソースを確保。納期遅延や品質問題に備える。
• インコタームズ:FOB/CIF/DAP。海上は梱包・錆対策・雨濡れ、航空は危険物判定・バッテリー条項。

 

2)品質保証(QA/QC)と ITP
• ITP:受入→中間→最終→出荷の立会ポイント、見届け・確認の定義、記録媒体。写真・動画を標準に。
• トレーサビリティ:ミルシート、WPS/PQR、トルク管理、塗膜厚、絶縁抵抗、型式試験。台帳で“部位紐付け”。
• NCR/是正:逸脱は5Why+恒久対策。再発防止は設計・調達・施工の横串で。

 

3)梱包・荷姿・出荷検査
• 荷姿図:重心・吊点・寸法・重量・重ね不可・防湿・防錆。長尺物は端面キャップ+防錆紙。
• 出荷検査:外観・数量・付属品・ラベル・取説。雨天時の開梱手順を事前に取り決め。

 

4)輸送・搬入計画と重量物
• 道路許可・経路:高さ制限、橋荷重、旋回半径。学校・病院・住宅地は時間帯で配慮。
• クレーン連携:搬入→仮置→据付の一筆書き。ヤードの仮置番号とバーコードで出庫ミスゼロ。
• 地耐力:アウトリガ下の敷板・マット、地下埋設物の有無。沈下監視を当日運用。

 

5)受入検査と保管
• 受入:数量・外観・型式・製番・付属品。到着即時の写真で時系列証拠を確保。
• 保管:乾燥・温度・埃対策。回転機は月 1 回転で軸受なじみ維持。防錆再塗布をルーチン化。

 

6)ケース:海外製制御弁の大量調達
• 課題:リードタイム 28 週、物流混乱、現地通関リスク。
• 解:ロット分割+先行便航空化、現地プレ FAT で不良率低減、予備 5% 上乗せで切替時の欠品を防止。国内側は一時倉庫+バーコード管理で混乱ゼロ。

 

7)調達ダッシュボードと早期警戒
• KPI:承認図遅延、製作遅延、検査遅延、出荷遅延、損傷率、欠品率。
• ボトルネック可視化:差戻理由をタグ化し、“設計起因/ベンダ起因/検査起因/物流起因”で色分け。

 

8)チェックリスト 
☐ MR/仕様書の粒度OK(材質・圧力温度・塗装・付属品・検査範囲)
☐ ベンダ図レビュー SLA・質疑(TQ/RFI)一元化
☐ ITP の立会ポイントと記録媒体(写真・動画)
☐ 荷姿図・防錆・防湿・重心・吊点・ラベリング
☐ 搬入一筆書き・仮置番号・バーコード
☐ 受入検査・防錆再塗布・月次回転ルール
結論:調達は“見えない工事”。紙の段取りがきれいだと、現場のリードタイムは短く、安全も上がります。

 
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第16回雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社 ユーキ.ディープラント、更新担当の中西です。

 

はじめに:FEED は“将来の自由度”を設計する段階
基本設計は、決めすぎない勇気と決め切る覚悟のバランスです。増産・改造・保全・エネルギ最適……未来の選択肢を残しつつ、現在の投資で最大の価値を生む“着地点”を見極めます。

 

1)Design Basis(設計基準)の作り方
• プロセス条件:能力、原料スペック、反応・分離条件、安全弁設定、ベント燃焼/回収の方針。
• 建築・環境:風速・積雪・地震度、騒音目標、雨水・汚水・産廃容量。
• 防爆・防災:危険物区分、ゾーニング、避難距離、消火方式。
• 保全性:“毎月触るものは直線動線に。毎年触るものはクレーン下へ。”という設計原則を言語化。

 

2)Plot Plan/レイアウトの“哲学”
• 高温・高圧・危険物は風下・居住区離隔、周囲は防液堤で区画。
• 回転機はクレーンレール直下、吸込は直線、配管ストレスが小さい位置に。
• 人の動き:巡回・点検・更新を 10 分短縮できる配置は、10 年で数千時間の価値。

 

3)PFD → P&ID:運転モードまで描く
• 常用・起動・停止・洗浄の各モードで“流れ”を追う。洗浄系は一時配管の準備も含めて P&ID に記載。
• 計器レンジ:圧力・温度・流量・液位レンジは起動・停止の端までカバー。
• SIS/ESD:層防御(LOPA)を踏まえ、SIL ターゲットを設定。Cause & Effectを試験しやすい書式で作る。

 

4)コスト・工期を左右する三種の神器
• モジュール化:足場・高所・雨天の“不確実性”を工場に移す。運搬制約(幅・重量・高さ)から逆算。
• 標準化:バルブ・計器・ケーブル・盤の型式を統一し、予備品と教育を軽くする。
• 先行工事:地中配管・基礎・ラック。長納期機器の据付基礎を先に固め、FAB を待たない。

 

5)レビュー会議の運用:決めたことが現場に落ちる仕組み
• TQ/RFI 一元化:期限・責任者・決定案をシステムで可視化。メール分散は厳禁。
• ゲート審査(L1→L4):“次工程に進める条件”を数値で宣言(例:ベンダ図 90% 返却、干渉 0 件 等)。
• 設計変更(MOC):軽微・計画・緊急でルート分岐。緊急は暫定対策→恒久対策の期限セット。

 

6)ケース:食品工場のアレルゲン管理を伴う新設ライン
• 要求:グルテン含有製品と非含有製品の交差汚染ゼロ。
• 解:原料搬入動線・更衣・計量室・配管のデッドレグ排除を FEED で徹底。洗浄バリデーションのサイクル時間を定量化し、能力計算に織り込む。結果:洗浄 45→28 分、切替ロス 38% 削減。

 

7)FEED の落とし穴と回避
• 将来拡張の“場所だけ確保”:実は構造・基礎・荷重まで考慮しないと後で地獄。仮設梁・点検空間まで確保。
• 定格ギリギリ設計:ユーティリティはピーク+余裕で。電圧降下・圧力損失を“運転点”で評価。
• 人の UI:HMI 画面は運転員の巡回順で並べる。色・アラーム優先度も運転文化に合わせる。

 

8)FEED チェックリスト 
☐ Design Basis 完成(風雪・耐震・防爆・環境・衛生)
☐ Plot Plan(人・荷・クレーン・避難・将来拡張)
☐ P&ID(洗浄・一時配管・ドレン・ベント・ロック)
☐ Cause & Effect(SIS/ESD、試験しやすい体裁)
☐ モジュール化戦略・先行工事計画・標準化方針
☐ TQ/RFI・MOC の運用と SLA
まとめ:FEED は“運転と保全の幸福度”を設計する段階。決め切ることと余白を残すことの両立が、強いプラントをつくります。

 

まとめ:プラント工事は“設計で勝ち、現場で取りこぼさない”競技です。人が迷わず動ける図面と段取りをつくれば、コストも品質も安全も、同時に良くなります。
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第15回雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社 ユーキ.ディープラント、更新担当の中西です。

 

プラント工事は、産業用設備をゼロから立ち上げ、安定運転に載せるための総合プロジェクトです。建築・土木・機械・配管・電気・計装・防災・環境——多職種が同じ地図を見て別々の道を走り、ゴールでぴたりと合流する“駅伝”のような営み。目的はたったひとつ、計画された能力・品質・安全・コストで生産を継続させること。言い換えれば“止まらない工場”を作ることです。

 

1)全体像:上流から下流へ“川の流れ”
• 企画・FS(フィージビリティ):需要・原料・立地・法規を調べ、投資意思決定(FID)に必要な根拠をそろえる。ここでの調査漏れは、下流で雪だるま式のコスト増に直結します。
• FEED/基本設計:能力(t/h)、圧力温度、材質、防爆区分、ユーティリティ容量、将来拡張の余地を定義。ここで決まる“設計哲学”が、以降の正解のものさしになります。
• 詳細設計:P&ID、レイアウト、アイソメ、支持金物、SLD、ループ図まで細分化。干渉・動線・保全性をモデルで潰し込む。
• 調達・製作:ベンダ選定、ITP(検査計画)、立会、出荷検査、荷姿設計。納期と品質を同時に担保。
• 土建・据付・配管・電計:現地の天候・地盤・周辺環境という“自然法則”と対峙するフェーズ。段取りがすべて。
• 試運転(コミッショニング):冷試→温試→性能保証。Cause & Effectを一つずつ確かめ、運転員の手と頭に落とし込む。
• 保全・運用:台帳・予備品・点検周期をセットで渡して、“引渡=安定”を実現する。

 

2)成功の方程式=Q・C・D・S・E の“針を振らせない”
• 品質(Q):仕様と図面の合致は当然。記録(エビデンス)がその証明です。溶接、塗装、耐圧、絶縁、ループ——各試験の結果を部位に紐づけ、将来の改造時に“秒で取り出せる”状態へ。
• コスト(C):節約のコアは設計段階。モジュール化・標準化・ルート最短化で、高所・雨天・やり直しを削る。現場での“頑張り節”は長続きしません。
• 工期(D):クリティカルパスは長納期品の基礎とモジュールが握る。図面凍結→FAB→搬入→据付の“前倒しチェーン”を作る。
• 安全(S):PTW、LOTO、KYT、TBM の文化化。安全は“空気”ではなく設計可能な成果。
• 環境(E):騒音・粉じん・水・交通のモニタリングをダッシュボードで常時公開。地域の信頼は最大のリスク低減。

 

3)プラント図面の読み方:言葉以上に雄弁な“設計言語”
• PFD → P&ID:物質・熱の論理(PFD)を、弁・計器・ライン番号に落としたのが P&ID。洗浄・バイパス・ドレンのモードを事前に設計しないと、試運転で詰みます。
• レイアウト/3D:人・荷・クレーン・メンテの動線、避難、風向、防爆距離。“人が動ける”設計こそが名設計。
• アイソメ:溶接位置、サポート、傾斜、伸縮継手。現場で安全に作れる割付になっているかが肝。

 

4)“典型的な手戻り”と回避術
1. 干渉:3D でクラスチェック+施工順序のアニメで最終確認。足場・仮設もモデル化。
2. 長納期遅延:ベンダ図レビューの SLA を数値化。差戻理由をタグ化し、詰まりの種類を可視化。
3. 配管ストレス:固定点の思想不足。固定→ガイド→スライドの連鎖を崩さない。
4. 計装ノイズ:電力・計装の離隔・接地不備。設計・施工・試験で三重チェック。

 

5)現場の 1 日:時間が“成果物”に変わる瞬間
• 7:45 朝礼・TBM(危険源と対策の共有)→ 8:15 段取り合わせ(クレーン・足場・同時作業の干渉確認)→ 9:00 作業開始(チェックリスト運用)→ 12:00 昼休憩(WBGT 確認)→ 13:00 作業再開(写真・点群で出来高記録)→ 16:00 片付け・清掃(転倒・落下源の撤去)→ 16:30 日報・是正(NCR/是正の即日クローズ)→ 17:00 翌日の制約レビュー。

 

6)ミニ事例:化学プラントの増設ライン
• 課題:既設稼働中でスペース制約、爆発等級 IIB/T4。搬入路は学校前を通る狭路。
• 解:フルモジュール化(ラック・ケーブルトレイ一体)で夜間 2 回の揚重に集約。近隣説明+月次レポートで苦情ゼロ。DCS ロジックはCause & Effect を現場言語に翻訳して試験。結果、休転 36 時間で切替成功。

 

7)チェックリスト(抜粋)
☐ Design Basis(圧力・温度・材質・爆発・耐震・風雪)
☐ P&ID(洗浄・フラッシング・ドレン・ベントの経路)
☐ レイアウト(人・荷・クレーン・避難・騒音)
☐ 調達(ITP・ベンダ図 SLA・荷姿)
☐ 施工(WBS・吊り計画・仮設・NDE)
☐ 試運転(PSSR・ループ・C&E・PG Test)
☐ 引渡(As-Built・台帳・予備品・SOP・CMMS)

まとめ:プラント工事は“設計で勝ち、現場で取りこぼさない”競技です。人が迷わず動ける図面と段取りをつくれば、コストも品質も安全も、同時に良くなります。

 
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私たちが採用において最も大切にしているのは、「人柄」です。

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